>>14 発想って意味で言えば、
例えば野球でノーストライク3ボール、4球目もボール球の敬遠球…を、打ってホームランにした場合、
“普通そういう発想するか?”
な仰天好プレー(…あんま上手い例じゃないけど)。
将棋には
・定跡=駒組でも攻め方でも、まぁこうして行くのが自然な一着という、研究の歴史から出ている定道
・手筋=こういう状況ではこうするのが鉄板という万全の対策
・読み筋=私がこうしたら相手はこれらの候補手を指すだろうという予測の範囲内
・最善手=この局面ではこれが最も良い手だろう
・第一感=最善手かどうかはわからないが展望が見える手
・くっつき=銀や金は密集していた方が固い
・ヒモ=銀を取られても…取ってきた駒は飛車で取り返せる、金を取られても…角で取り返す、みたいな保険(駒がヒモなしで浮いているのはタダで取られる危険が増す)。
・他…質駒(今すぐ取れる相手の駒)、駒得(持っている駒の数や駒の強さで上)、手損(無駄な動きで損)、駒は取られるが状況は優勢となる…などなど…
そういった選択時の固定観念は拭えないものだし、この盤上は攻め合いなので一歩刺し違えると先に詰められる。
ましてや相手が2九歩成とすれば“王手金取り大ダメージ”、玉の上はフタで逃げ道もない。
こりゃヤバイ…の保身でまず盤上右下に意識が向くのが普通(相手の玉は画面左に逃げるスペースがあり遠く感じる)。
なので、『5二銀』は上記の常道もなく、単独の浮き駒で、いきなりのタダ駒。
この発想に至る頭の中が凄い、みたいな。
2七香の時から1筋の角を絡めた攻めが見えてたのかなぁ…
羽生は『将棋は剣先が触れるか触れないかの斬り合い』と言ってるし、
解説も『こういう指し方、普通は怖くてしないんですけどねぇ…一見すると、これはすぐ詰むなって感じの逃げ方でしょう』なんてよく言ってる。
持ち時間たっぷりの対局で、プロなら頑張って20手先・1000通りくらい読むけど、その中にも選択肢としては浮かびにくい手なのかなぁと。
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